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2018年3月16日市民型講座

第39回:スピントロニクス不揮発性素子

要旨:スピントロニクス不揮発性素子は、書き換え回数の制限がない、
通常の電源電圧で動作する、など他の不揮発性素子にない特徴を
備えており、不揮発性のワーキングメモリとして使える唯一の素子です。本講演では、その開発経緯や現状、微細化限界について述べ、
時間が許せば、このような研究開発を大学で進めるための枠組みについても触れます。

電源を切っても記憶が残るのが不揮発性メモリで、東芝が開発したフラッシュメモリが有名です。パソコンや携帯にも入っている小さなエレクトロニクス素子の一つで、電子が持つ電荷を保持して記憶します。電子にはもう一つスピンと言う磁石の性質も備えており、両者を巧く組み合わせたメモリが大野先生の開発された不揮発性スピントロニクス素子です。これまで電子のスピンは扱いにくいこともあって余り活用されて来ませんでしたがナノテクノロジーの進歩もあり、電流を流すだけで小さく加工した素子に納められた磁石の向きをスピンの流れで反転させて記憶に残す新しい原理のメモリが出来上がりました。反転させた磁石は電源を切ってもそのまま保持されるので、記憶は消えません。ハードディスクと同じですがミクロンサイズなので、省電力性、安定性、記憶密度、などの性能も抜群なメモリであることがご講演でよくわかりました。最近では素子の構造に新たな工夫を凝らすことによって格段に向上しているとのご説明もありました。フラッシュメモリを凌ぐ素子として早期に実用化されることを大いに期待します。

 
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