特定非営利活動法人ナチュラルサイエンスとの共催で「燃えないごみなどない~ごみ分類の間違い~」と題する川添代表理事の講演がありました。

クリスマスの日に中学生から大人まで多くの参加があり、ゴミ処理を中心に行政や教育のあり方にまで話しが及んで活発な講演会となりました。

2015/12/25

特定非営利活動法人ナチュラルサイエンスとの共催で「燃えないごみなどない~ごみ分類の間違い~」と題する川添代表理事の講演がありました。

毎日のゴミをどう処理するかは悩みの種です。その原因は捨てる側よりは、処理する行政側の技術的な事情によって分類がややこしくなっているためとの説明がありました。科学技術の進歩に行政側が対応していないことを示しています。その意味で学校の教科書についても作る側の都合で内容が端折られ、深く考える意欲や独創的な思考を削いでいるとする例も幾つか示されました。
講演終了後はゴミの話題に戻り、捨て方について堅物な隣人とトラブルすら発生している話しもありました。そしてゴミは大きく見れば地球の資源、エネルギー、環境保全と密接に関わる問題で、もっと大局的な取り組みが必要といった議論も出て盛会の内に終わりました。

講座名: 「燃えないごみなどない~ごみ分類の間違い~」
日    時: 12月25日(金)13:30~15:00
会    場: 新仙台ビル5階会議室(七十七銀行芭蕉の辻支店ビル)
                 〒980-0804 仙台市青葉区大町1-1-30

主     催: 特定非営利活動法人ナチュラルサイエンス
共     催: 特定非営利活動法人科学協力学際センター

概     要: 仙台市では、ごみ分別として(1)家庭ごみ、(2)プラスチック製容器包装、(3)缶・びん・ペットボトル・廃乾電池類、(4)紙類、(5)粗大ごみ、(6)市で収集しないもの等の6種類としています。家庭ごみにはほとんどの「ごみ」が含まれます。また、黄色のケースで運ばれる缶・びん・ペットボトル・廃乾電池類は運搬量を減らすため一緒にして出して下さいという指示があります。それなのに市民はなぜ分け続けるのでしょうか?この原因の一つが焼却炉の燃焼能力向上前に身についた分類学です。低温で焼却していた頃にダイオキシン問題が発生し、その問題解決のため、800度以上の高温で焼却するようになりました。すると、もう「燃えるごみ」も「燃えないごみ」もなくなってしまいます。何でも燃えるのです。(仙台市の広報を良く読むと、いつもまにか、「燃えるごみ」と「燃えないごみ」ではなく、「燃やせるごみ」と「燃やせないごみ」になっています!これは正しい。)プラスチック製容器包装は、市民に分類して出してもらった袋を焼却炉の温度が下がった時に投入して焼却炉の温度の維持に使っています。つまり、資源ごみ以外は何でも燃やしているのです。 日常生活にはこの様に誤解が沢山あります。科学技術の世界も同様で、教科書には多くの間違いがあります。そもそも研究者が目的としているのは、まだ分かっていないことの解明ですから、問題は一杯存在しているのです。講演では、ごみ分類から始め、月が衛星ではないこと、車のタイヤは丸くなくても滑らかに走ること、等、常識が成り立たない例を示し、そもそも我々は何に基づいて考えなければならないかということを提示し、参加者全員で議論します。