第48回:「免疫の検問所をかいくぐる創薬」

日 時 : 令和2年2月26日 (水曜日) 午後6時00分より
講 師 : 高井 俊行 教授
              東北大学 加齢医学研究所

要旨:従来からのガン治療では、薬物を投与する、放射線で叩く、外科的に除去する、の三本柱が主流でしたが、ガンを攻撃する免疫の仕組みを強くして治すと言う四本目の柱について最近の成果をお話し戴きました。ガンは歳とともに罹りやすくなることに関連して先ずは、ご所属の加齢研での取り組みであるスマートエイジングについての説明がありました。日本で言われているアンチエイジングや欧米のHealthy Agingとを比較して、歳をとるのは当たり前、幸福を実感し、加齢を知り、知性を磨き、健康で長生きする賢い加齢を目指しましょう、と言う考え方です。本論では一昨年ノーベル医学賞の対象ともなったガンの免疫療法を更に発展させたご自身の最先端の研究が紹介されました。ガン細胞は検問をかいくぐるように免疫から逃れようとするので、検問所となるチェックポイントを1つ1つ調べて免疫が強まる方法を見出し、より多くの人に効いて副作用も少ない治療薬が出来るようになったとのことです。また人間の免疫力は成人になる以前から既に衰えが始まっているとの説明もあり、免疫の大切さがよくわかりました。ご講演の終わりにスマートエイジングの奨めとして、ヴァイオリンの名演奏を川添代表のギター伴奏で披露して下さいました。