第56回:「民間ベースのロケット及び衛星開発の現状と課題、見通しは」

開催日時: 令和4年6月27日(月)18:30〜
講演者:東野 和幸氏
㈱ネッツ 技術開発本部長
元室蘭工業大学航空宇宙機システム研究開発センター長、教授

宇宙開発に向けたロケットおよび衛星技術の日本における現状と将来について諸外国と対比しながらご説明下さいました。まずロケットについて地球の衛星軌道に乗せるためには1段では難しく、2段式スペースプレーンと呼ばれるタイプが現在主流となって開発が進められているとのことです。技術的には衛星軌道か遠く月や火星に向かう軌道かで大きく分かれ、再利用や有人飛行については日本は大きく遅れているようです。衛星については地球観測、宇宙ゴミの処理、人工流れ星などがあり、大きさも100Kg程度が多いそうです。日本の宇宙ビジネスの規模はロケット、衛星、地上局などのインフラ産業が〜3000億円、宇宙インフラを利用する衛星通信放送サービス産業が〜8000億円、カーナビ、GPS、チューナーなどの宇宙関連民生機器産業が〜3兆円程度ですが、課題としては新規ビジネスが生まれないことやマーケッティングの人材が少ない点などが指摘されました。最後にJAXAと共同開発された小型再利用ロケットRVT-9について、上空に打ち上げられ、地上に降りて軟着陸する映像を見せて下さいました。