第58回:「気候変動と異常気象」

開催日時:令和4年12月9日(金)18:30〜
講演者:岩崎 俊樹氏
       東北大学名誉教授、日本気象学会元理事長

ご講演では1。の温暖化のしくみで、温暖化は地球が太陽光を吸収して温まり地球からは赤外線が放射されるエネルギーバランスで決まるが、大気中の温室効果物が増えると温度上昇に傾く、との説明がありました。そして気候変動についてはノーベル賞を受賞された真鍋先生が簡単なモデルを発表され、実際の値に近い結果が得られたとの説明もありました。2。の気象変動の監視と予測では、1958年に米国大気海洋庁のKeelling博士が数年の観測で二酸化炭素濃度が増えていることに気付いたことから徐々に認められるようになり、2000年には気温が1度程度上昇したとする観測結果も示されたりして気候予測、気象予測の研究が盛んになったなどの紹介がありました。続いて気象変動については3。の異常気象、4。の集中豪雨などへの影響の話があり、具体的に日本における計算結果や予測が図示されました。最後に5。の気候変動対策では、緩和策は国際社会で、適応策は地域社会で、考える必要があるとのことでした。国内では日本海側は梅雨、太平洋側は台風の影響が甚大となり、東北地方について優先すべき対応策として集中豪雨への防災対策があげられるとのご指摘です。