2017

市民型講座

第38回:2017年ノーベル医学生理学賞ー体内時計機構の激烈な競争ーその光と影

要旨:1984年にPeriod遺伝子がクローニングされた時には医学生物学研究者の間には強烈な衝撃が走った。なぜならたった一個の遺伝子上の一塩基配列の違いで生物の時計が長くなったり短くなったり、時計が止まったりしたのである。これはまさしくBenzer博士の提唱した一遺伝子一行動説を裏付ける結果であった。それではなぜこの遺伝子が生物の時計として機能するのかが次の大問題となった。この辺りの話題を過去のBenzer博士のDNAの概念での活躍から歴史も含めて解説したい。  睡眠や食事を初め、毎日の生活リズムを司る体内時計について30年も前からつくば市の産業技術総合研究所で世界に先駆けて研究を進めて来られた石田先生にお話を伺いました。生物の概日リズムについての研究では1930年代にマメ科の植物で、照射する光に変化がなくても葉が閉じることが見出されています。動物では、1970年の初めに睡眠周期の狂ったショウジョウバエ数匹が見つかり、周期を決める遺伝子がX染色体の中に存在するとわかったことで基礎研究の突破口が開けました。残念ながら発見者の1人であるカリフォルニア工科大学のベンザー(Seymour...
セミナー・シンポジウム

第38回市民型講座のご案内

枯れ葉舞う季節となりましたが、皆様お元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます。日頃はNPOの活動へご理解とご協力をありがとうございます。 さて、第38回市民型講座を下記の通り開催いたします。今回は当NPOの体内時計がご専門である石田直理雄理事にお願いを致しました。終了後に忘年会を兼ねた懇親会も予定しています。是非ご参加くださいますようお待ち申し上げます。 準備の都合により恐れ入りますが、ご参加の有無を12月1日(金)までに事務局へお知らせ戴ければ幸いです。 記 日 時 : 平成29年12月11日 (月曜日) 午後6時00分より 場 所 : 新仙台ビル5階会議室(七十七銀行芭蕉の辻支店ビル)                  〒980-0804 仙台市青葉区大町1-1-30 講 師 : 石田 直理雄 NPO理事                     国際科学振興財団 時間生物学研究所 所長 兼 主席研究員 概要 1984年にPeriod遺伝子がクローニングされた時には医学生物学研究者の間には強烈な衝撃が走った。なぜならたった一個の遺伝子上の一塩基配列の違いで生物の時計が長く...
市民型講座

第37回:液晶ディスプレイの進化と今後の高品位テレビの動向

第37回:液晶ディスプレイの進化と今後の高品位テレビの動向 要旨:液晶は今から百数十年前に発見された。液体でありながら結晶のように分子が規則正しく並ぶという不思議な性質をもつものであった。そして今から50年ほど前に、低い電圧をかけると光学特性が大きく変化することが見いだされて、ディスプレイへの応用が提案された。その後これを使った電卓やワープロが生み出され、ついに今日の大型テレビに発展してきた。さらに、最近では液晶と競合する有機ELが開発され、新たな時代が始まる可能性に関心が寄せられている。 基本的な現象の発見から長い年月を経て漸く応用の可能性が見えて来た頃に大学院生として液晶分子の合成から始められ、ディスプレイの実現まで突き進まれた素晴らしいご研究の一端をお伺いすることが出来ました。どんなに優れたデバイスも殆どが目か耳で動作を認識出来なければ意味がなく、肝心・要な課題を電子工学科を専門に異分野にも挑戦しつつ一心に追求された結果と拝聴しました。参加者からは、将来的なことも含めて続きのお話を是非お聞きしたいとの声もあがり、懇親会も楽しいひとときとなりました。
セミナー・シンポジウム

東北大学飛翔型「科学者の卵養成講座」

川添代表理事が東北大学企画の「科学者の卵養成講座」で「自然を正しく理解する?-やってみても分からない-」と題する研究基礎コース第5回講義を10月14日に工学部大講義室で行いました。講義の映像がyoutubeにアップされています。
市民型講座

第36回:人類の進化から見える夫婦円満の秘訣 

第36回:人類の進化から見える夫婦円満の秘訣  開催日時:平成29年8月2日(水曜日) 18:00~19:00講演者:義江 修 医学博士 近畿大学名誉教授   仙台・太白病院 院長  健康漢方研究所 所長
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今年も『学都 仙台・宮城 サイエンス・デイ2017』に出展

「びっくり科学:月は地球の衛星ではないし、タイヤは三角形でも滑らかに走るし、燃えないゴミはない・・・」は大盛況のうちに終了しました。
市民型講座

第35回:社会において重要な役割を演じている各種鉄酸化物とその背景

第35回:社会において重要な役割を演じている各種鉄酸化物とその背景 「抄録」 「鉄酸化物の種類」として、通常の酸化鉄のほかに、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄等があり、地球上においてそれらは偏在している傾向がある。それとともに人間社会においてそれらは重要な役割を演じている。それらに関連して、鉄鉱石の資源、鉄鋼表面に形成する鉄錆、およびそれらの周辺の話題などについて紹介します。  鉄は人間社会にとって切っても切れないほど縁の深い物質ですが、空気中で酸化して錆びてしまうのが欠点とも言われます。酸化鉄には何種類もあり、空気中で安定な種類で表面が一旦覆われてしまえば、マンホールの蓋のように錆びにくい鋼材になるそうです。また鉄に燐が含まれていてもインドにあるデリーの鉄柱やフランスのエッフェル塔のように腐食に強いし、炭素を少し混ぜるとハガネのように堅くなりますが増やすと鋳物のように脆くはなりますが整形し易くなります。 地球上には鉄鉱石としての埋蔵量は約2,300億トンとも言われ、ブラジル・アマゾンのカラジャス鉱山に埋まっている180億トンも大陸移動が始まる前に一緒に堆積し、酸素を嫌う...
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第15回(平成28年度)定時総会の開催

第15回(平成28年度)定時総会が例年通り、6月30日(金)に5階会議室にて開催されました。川添代表理事の挨拶に続いて、佐藤事務局長より平成28年度の事業内容と決算報告がありました。情報収集と発信事業では「しみん科学」の継続、「多面体木工」増補版の頒布が行われました。産学官共同事業ではバイオ、環境、省エネルギー技術とも関連して、米国・空軍研究所やロシア・ノボシビルスク研究所との共同研究が実施されました。また新産業創出事業でも環境発電技術の開拓を民間企業と行いました。また会員の協力を得て学都「仙台・宮城」サイエンスデイへの出展も2年目となりました。 これらの活動について決算が承認され、引き続き29年度の事業計画と予算が示されました。産学官共同開発事業と新産業創出事業では環境発電技術を太陽光や風力に限らず工場や家庭に存在する振動等の未利用エネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティング技術の開発と安全対策や商品管理のための電池レス通信システムへの応用、学際的科学技術事業者育成事業では日本語 e-learning システムの充実が提案され、了承されました。 総会終了後に行われた...
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第36回市民型講座のご案内

日 時 : 平成29年8月2日 (水曜日) 午後6時00分より 場 所 : 新仙台ビル5階会議室(七十七銀行芭蕉の辻支店ビル)   〒980-0804 仙台市青葉区大町1-1-30 講 師 : 義江 修 先生 医学博士 近畿大学名誉教授 仙台・太白病院 院長 健康漢方研究所 所長
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平成28年度 定時総会の開催について

来る6月30日金曜日午後6時より新仙台ビル5F会議室にて平成28年度総会が開かれます。また引き続き、6時30分より学際科学セミナーが行われます。ご参加をお願い致します。その後、懇親会となりますのでお越しをお待ちしております。